NHKスペシャル「”夢の丘”は危険地帯だった ~土砂災害 広島からの警告~」を録画で見た(3)
NHKスペシャル「”夢の丘”は危険地帯だった ~土砂災害 広島からの警告~」を録画で見たの続き3回目です。
NHKスペシャル|”夢の丘”は危険地帯だった~土砂災害 広島からの警告~
ここからは土砂災害防止法の話。
土砂災害防止法は平成12年に施行された。これは奇しくも広島で起きた人の亡くなった土砂災害によって、制定された法律のようだ。
土砂災害警戒区域の設定がこの法律の肝である。
市街化区域の中に、土砂災害危険区域に指定される場所は多い。
政令指定都市の中で、多いのは山に近く急激に宅地化が進んでいるところである。
広島も多いが、先日、違法造成が崩れたと言われる横浜は非常に多い。
名古屋も、丘陵地においてはやはり多い。守山区~名東区~天白区~緑区のラインだ。
じゃあこのようなところで土砂災害警戒区域が指定されているかと言われると、なかなか進んでいないのが現状。
素案ではすでに特別警戒区域に指定されているような所でも、指定に至っていないのが現実。
遺族:「特別警戒区域ですよ あかですよ」
「調査がここまで出来ていたなら もっと早く公開をして、住民にしっかりそれが周知されてはじめて事前の(防災)対応とかできたはず」
(はぴ:出来るんですか?ほんとうに?)
広島県担当職員「住民の理解が得られない状態で一方的に指定してしまうのは、これは今まで避けていこうと」
警戒区域に指定されそうな所に住む住民:
「なんで造成したところを買ったのに、法律が変わったからといってこういうことをされるんだと」
「やっとローンが終わって年金生活に入ったところで、2世帯住宅にしようと思ったら」
「(ここ一帯)空き屋になってしまいますよ、全部まわりみんな だって売れないし住めないんですから」
(はぴ:これが素直に放送されるようになっただけ、前に進んだかな・・・とは思う)
元国交省担当専門官:
「やっぱり個人の私権を制限するという非常にきつい法律ですから」
「住民の方の理解を得て法的な指定をしていくのは大変なこと」
「(住民説明会で)軋轢をつくると、その話が広がって他の所でもこけるわけでしょ」
「こけられないんですよ 本当の話は だから慎重に慎重にやる」
(また同じ災害で人が死んでしまったと悔やまれている)
結局広島では、土砂災害警戒区域に指定できたのは、人の記憶にある被災履歴のあるところだけに留まってしまって、他の所はどんどん後回しになる結果となった。
今でも土砂災害警戒区域に未指定なところは、3割強に上る。
埼玉:地価への影響(影響しますね・・・)
長野:過疎化が進み地域が衰退(衰退しますね・・・)
新潟:風評被害で観光客が減る(言っている意味がさっぱりわかりません)
土砂災害警戒区域に未指定なところ・・・広島のほかに京都が突出している。
あれ?この前ブログでまとめた資料と少し違う状況にあるな。
これは土砂災害警戒区域の調査終了後に速やかに対応できていないところの地域図のようだ。
それにしても広島・京都・千葉ねえ・・・なんか少し社会的背景が見え隠れする県民性も反映されているような気がしないでもないデータである。
そんななか広島県は、調査終了後に「公表」を先行させる事に踏み切った。
(これは民主党が頓挫させている改正土砂災害防止法に先行させて居るみたいだ。)
県担当者:「これは財産は守りません 皆さんの生命を守るためにどこが危ないかお知らせする」
「したがって 私のところは(警戒区域から)外してほしいと言われても指定はかけます」
現地を見た住民:「これを見たら住みたくなくなるね 本当に でも住まないといけないのよね」
(はぴ:直感に素直になった方が良いと思います。次の世代にはここ住むことを強要しないでください。それが子孫繁栄の秘訣です。)
遺族:「知識としてちゃんとそれを持って生活しなければいけなかったと思います」
(はぴ:知識としてそれを持ったなら、怖くてそこに住めないと思います。)
内容が色々あったので、3回に別けてしまいましたが、お師匠様が言っていた「アクロバット防災」は辞めた方が良いと思います。
「被災するリスクを下げるために、避災しましょう」と改めて思いました。