品質ってなんだろう?

宋さんのブログに「品質に惚れるな」とありまして、思い返してみました。
私の仕事である地質調査(ボーリング調査)は、日々値下げ合戦が繰り広げられており、官公庁では受注のための低価格入札、民間ではダンピング状態になっております。

官公庁は、品質の維持のために総合評価型やらプロポーザル型入札なっており、技術点で低価格入札(ダンピング)を防止しようとしているようです。実際にそれで品質維持が実現できているのか解りませんし、適確に評価しているかも解りません。
ただ、何か予期しない問題があったときに、それに対応してもらう担保を抑えておくと言う意味で技術評価を予めするのでしょう。
くどいですが、結果的に会社の規模やらこれまでの実績やら理由をつけて、選定もしくは加重配点されているわけです。まあ今までの指名競争入札よりは、ある意味まともに機能しているのかも知れません。私も蚊帳の外に置かれている(負け組である)ので、これ以上のことは何とも言えません。
そこに参加できないのは自分に技術力がないのだと言い聞かせています。

民間は、お金がありません。
ボーリング調査なんてものは、品質よりも金額であると言われています。
何処のボーリング屋に頼んでも、孔掘ってボーリング柱状図が出てくれば良いわけです。
顧客の目的に「品質」なんて言葉は出てこない典型でしょう。
社内で、「値段は下げても品質は下げない。品質を維持するには、この金額では受けられない。」なんて話が出ていますが、顧客の目的が「金」なんだから、品質もクソもないなあと思ってしまうわけです。
実際、安い金で受けた仕事だから、ボーリング調査に対して手を抜くなんて事はありませんし、報告書を書くのも普通にありきたりのことを書くだけですから、報告書の品質なんて無いんだろうなあ?と思っています。

ただボーリング調査でクセが悪いのは、地中を調査するため、だれもそれに対して確認ができないことである。
したがって都市部なんか今まで大量にボーリング調査してきたから、掘らなくてもボーリング柱状図が描けるのかも知れません。(私は怖くて描けませんが・・・)

都市伝説のように、まことしやかに言われていますが・・・
・1m毎に標準貫入試験をやらないといけないところを、1m飛ばしてやっているとか・・・
・孔内水平載荷試験なんて、実際やらずに、N値からE=700Nで適当に計算してやったことにしているとか・・・
まあ列挙したらきりがありません。ただ本当にやっていたら契約したことをやっていないわけですから犯罪です。
社員が見張っているわけではないので確認する方法もありませんしね。会社ぐるみだったらもっとわかりませんしね。

でも実際にそんなこと・・・やっているんですかね?誰か教えてください。

宋文洲のメルマガの読者広場: 品質に惚れるな

「品質じゃない。故障を早く知って早く直せる体制がもっと重要」と彼は断言しました。その発言は「カイゼン」と「品質」を神格化した時代には似合いません でした。しかし、彼の思いが重機とITの一体化を具現化させ、顧客の安心感を獲得し、製品の改良を加速させ、結果的に低コストの品質改良に繋がったので す。

「品質」は顧客の目的ではありません。よく考えてみれば分かるはずです。品質が良いからといって少し品質の落ちる品の倍の値段をつけてはなりません。しかし、もしメーカーがその少しの品質改良に倍のコストをかけた場合、確実に自滅の道を歩むことになります。

競合が居ないほど凄い製品を出したとしても、まず顧客の生活スタイルと財布の中身にあわせる必要があります。提供側がいくら自社製品に惚れても、それは勝手な話であり売らずに自分が全部買い込んでおけばいいのです。自分の惚れた商品を造りたい、売りたいという人に申し訳ないですが。

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品質ってなんだろう?” に対して6件のコメントがあります。

  1. 一人親方 より:

    お疲れです。
    はっきり言いまして手抜きしているボーリング屋はかなりいると思いますよ、会社は当然、黙認していますが。二人作業でメーター単価が3,000円台だったら、そうなって当然だと思います。「安ければ数をこなしてなんぼ」になってしまい、品質は二の次になってますね。ちなみに、その会社は去年の今の時期に天に召されました(某電鉄系のあの会社)。俺はその手の会社の仕事は絶対にしません(犯罪行為に加担したくない)。
    はっぴ~まんさんも見通しのいい現場があれば、オペを双眼鏡で監視する事お勧めします。

  2. happyman より:

    お疲れさまです。
    見通しの良い現場というよりは、たまに「安全パトロール」と称して、現場にひょこっと行くことがあります。

    その時は、来たことを察される前に、30分ぐらい遠くなから眺めていることはありますね。
    だいたいノンコアの土砂の仕事なら、手順がルーティン化されていますので、わかりますね。
    他の会社のボーリング屋さんについても・・・たまに遠くからじーっと見ていることがあります。
    まあ、こりゃ劣悪だって人にはまだ巡り会っていません。

    ただし、名古屋の民間ボーリングはメーター単価劣悪ですよ。
    凄いダンピング合戦しているので、悲惨なものです。
    大阪の比ではないくらい、凄いことになってます。

  3. 一人親方 より:

    名古屋(中部地方)のノンコア専門のオペはクローラーにマシン一式をセットしているからスピードでは勝てませんね(汗)
    しかしあまりにもダンピング価格が続くのであれば元請・下請けが結局共倒れしてしまうのでは・・・低価格でも物理的に削れない部分もある訳で(燃料代・消耗品など)。工業製品だと材料の安い調達・部品の共用化・大量生産などと色々方法がありますけどね。
    宋文洲氏のメルマガを見るとトヨタの元社長、奥田氏の「車なんて五年で買い替えするんですよ、過剰品質を徹底的に見直しコストの適正化に務めます」発言とダブって見えました。

  4. happyman より:

    過剰品質は経営者が決めるのではなくて、顧客が決めるものだと思います。決して奥田なにがしのように経営者が言ってはいけません。
    奥田なにがしの尻吹きを今のトヨタ社長がやっているのですが、社長孤軍奮闘という姿にしか見えません。それはトヨタの作戦なのか、奥田なにがしが人でなしなのかは解りません。

    最近は、僕らに過剰品質だから安くしなさいと言っているようなお客様が多いような気がします。
    安かろう悪かろう・・・でもかまわないから、安くしてよってのが、露骨に出てきます。
    別にこの会社には、技術士は必要ないと思う瞬間でもあります。
    金食い虫は私たちですから、オペさんに直接発注してくれたら良いんだと思います。

  5. 一人親方 より:

    あまりにも叩く客がいれば断る勇気も必要だと思います、しかし会社の上層部が「それでも請けろ」と言うのであれば別ですが。
    我々の業界だけではなく他の業界でも「ブランド」が絶対に存在します、何故ブランドの存在意義があるか客もそれなりの「こだわり」があるからだと思いますけどね。だから技術者は存在意義があるんですよ、しかし安い品質ばっかり追求していれば痛い目に合うと思います、値切りまくり結局手抜きをして杭が沈んだ前例も知ってますんで。

  6. happyman より:

    うちの会社だってそんな安売りはしませんよ。
    余りやすくすると、普通の金額で依頼しているお客さんに「何だ?」ってことになります。
    だから、粗悪な調査結果で建てている建物がどんどん壊れていただければいいのにと思いますが・・・地震は嫌です。

    実は宋さんのブログで言っていたことはこういう事ではないと気がついているのですが、これを書くとちょっとはばかられる内容に触れてしまうので書こうかどうか躊躇しています。

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