国を超えた水利権
日本は、陸続きの国境がないので、国を超えた水利権という考えはありません。
そのため、なんのことだろう?と思っておりました。
上流部でダムを造り貯水をしてしまうと、その下流の地域は水が得られないという至極当然な問題なのですが、この問題は当事者には死活問題になります。
中国が下流のことを考えて水利用なんかしないでしょうから、非常に大変・・・な事だと思います。
淡水は貴重な資源です。日本では当たり前のように淡水が手にはいるので、なかなか意識が及ばないのです。
メコン川水位低下、流域国が首脳会議で協議へ : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
メコン川水位低下、流域国が首脳会議で協議へ
【バンコク=田原徳容】メコン川の異常な水位低下への対応を協議するため、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジアの流域4か国による初の首脳会議が5日、タイ中部ホアヒンで開かれる。4か国は首脳会議を、上流の中国によるダム開発に歯止めをかける場にする考えだったが、採択予定の共同声明案には開発制限を求める文言がなく、中国に対して腰の引けた姿勢が目立っている。
首脳会議は4か国の首脳のほか、中国代表がオブザーバー参加し、共同声明を採択する予定だ。
本紙が入手した共同声明案は、流域国が「食料安全や生物の保護のため、水利用や水質などの情報交換を活発化させる」とうたっている。
メコン川は今年、水位が過去20年で最低を記録し、農漁業への被害が深刻化している。4か国は降水不足に加え、中国によるダムの放水制限が一因との見方を強めている。
共同声明案の「情報交換」促進は、ダムの影響を明らかにするため中国に貯水や放水の情報公開を迫る狙いがある。
一方、共同声明案にはダム開発そのものの制限を呼びかける内容は盛り込まれていない。中国に遠慮したためとみられる。
中国は雲南省などへの電力供給を目的にメコン川上流にこの15年で四つのダムを相次いで建設。さらに八つのダム建設を計画しているとされる。
中国側は、「水位低下は地球規模の環境変化に伴う降水量の減少などが原因」とし、ダム開発は無関係との立場を崩さない。
首脳会議に向けた4日までの事務レベル協議では、4か国側も、タイ高官が中国の主張に同調するなど対中配慮がみられ、中国の援助を受けるラオス、カンボジアはダム原因説への言及すら避けている。流域各国の経済に大きな影響力を誇る中国を相手に、どの国も強い態度を取れないのが実情だ。
(2010年4月4日21時59分 読売新聞)