はやぶさ帰還成功の価値と技術の風化
「使わない技術は風化する。」
これは宇宙開発だけに限らない私たちの業界にも同じ事が言えると思っています。
中央リニア新幹線のルートに南アルプスを通過するルートを選択する意味として、この技術の伝承もあると思っています。
伊勢神宮の遷宮を見ても、伝統技術の伝承がいかに重要なのか、昔の人はよく解ったいたのです。
さて本題ですが・・・。
報道では、あまり出ていないが、川口教授の「はやぶさが終わった瞬間から技術の風化は始まっている。次につなげることが必要だ」という言葉が、ずっしりと来ます。
確かに必要のない技術は取捨選択されて、消えていく運命であるとおもうが、小惑星探査技術をむざむざと消してしまうのは非常に勿体ない。
堀江貴文氏が、小惑星を探査する技術の重要性をまとめていました。
堀江氏は、本当に宇宙に行ってみたいと思っているんだろうなと思います。
小惑星を探査することはいろんな価値がある。
1.地球誕生のプロセスを知る手がかりを探る。.大量絶滅期の原因を探る。
2.小惑星そのものの資源探査の有用性を探る。
資源の少ない日本において、小惑星に地下資源?(宇宙資源)を求めることは、これからの未来の明るい材料になると私も思います。
他国に出来ない技術を持つと言うことは、そういうメリットも享受できるのかも知れません。
何処かの国のように、地下資源が埋まっているところに武器を渡し、内戦状態にして、地下資源の既得権を得ようとしていることを思えば、とても夢のある事ではないのだろうか?と思います。
まあとりあえず、日本人特有の一過性のブームでも良いです。
とりあえず「はやぶさ2プロジェクト」に潤沢な予算を付けてやってください。
今の国民は、このプロジェクトの予算に金を入れることに文句は言わないでしょう。
言うのは「一番でなければダメなんですか?」とプライドだけの口先人間だけです。
【は やぶさ】「最後まであきらめなかった」相模原でJAXA会見 – MSN産経ニュース
【はやぶさ】「最後まであ きらめなかった」相模原でJAXA会見
2010.6.14 02:45「みんな執念深く、最後まであきらめなかった。いろいろ な方々の声援に大変感謝しています」
14日未明、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(相模原市)で開かれた記者会見。小 惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを率いてきた川口淳一郎教授は、偉業達成に感慨深い表情を見せた。
エンジン故障、通信途絶など幾 多のトラブルに見舞われ、一時は帰還が危ぶまれたはやぶさ。だが飛行最後の13日は、ほぼ完璧(かんぺき)な運用で見事な帰還を果たした。
川口教授は詰め掛けた数十人の報道陣を前に、「はやぶさは指令をけなげにこなしてくれた。さっきまで動いていた(管制室の)機器はもう用済みです」と、ね ぎらうように語った。
今後については「はやぶさが終わった瞬間から技術の風化は始まっている。次につなげることが必要だ」と、新たな探 査計画の実現に期待を寄せた。
はやぶさ地球帰還に思う|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba
簡単におさらいすると、小惑星が多数存在するのは火星と木星の間の小惑星ベルトだ。しかし、そこから木星などの重力との干渉で軌道をはずれ地球と同じような軌道を回っている小惑星も存在する。今回はやぶさがサンプルリターンを達成したイトカワもその地球近傍小惑星の一種であり、火星の軌道とクロスし、地球の内側も回る軌道をとっている。だから地球に近づくタイミングで探査機を送り込むというような事が出来る。
地球の周りを回っている月はともかく、火星は遠い目標だ。しかも両者とも重力が強い。着陸にも技術が必要だし、離陸のための燃料の確保など難題は多い。しかし小惑星ならそのような問題はほとんど起こらない。重力がかなり小さいからだ。もうひとつ、資源が豊富である可能性が高いのだ。
例えばM型と呼ばれる小惑星タイプのものは、ほぼ金属だけで構成されている。鉄やニッケルだけでなく重金属やウランなども存在する可能性がある。また、小惑星帯でも木星よりに存在する小惑星は太陽の熱で揮発成分が抜けていない可能性が高く、氷などがそのまま存在する。つまり水や酸素、水素を電気分解で作ることが出来る。もちろん電力は太陽光で発電できる。さらにそれを推進剤にしてさらに遠くに行くことだって出来る。もしウランが見つかれば原子力エンジンだって可能になるかもしれない。しかし、月にはめぼしい資源は見当たらない。火星も同様だ。なぜなら水が豊富でないこと、そしてほぼ微生物などは存在しないと思われることだ。地球の有用な資源の多くは生物がその生成に関与している。鉄鉱石(酸化鉄)や石灰岩、石油や石炭はすべて生物がその生成に大きく関与した。生物が資源を濃縮しているのだ。もうひとつ熱水鉱床で取れる重金属なども火山と水の相互作用で濃縮されている。後者は火星ではあるかもしれないが、期待はあまり高くない。それよりも惑星の生成過程で重力により濃縮された重金属の破片や氷の形で存在する水などは非常に期待できる資源だ。しかも採掘も容易なのである。
せっかくの機会にこのような小惑星探査の有用性をしっかり勉強して、そちらの方向性にどんどん投資が進むような体制を作ってほしいと望むものである。小惑星を拠点にして太陽系の外を目指してほしいものである。