温暖化データの原因?
測候所の無人化は、人手不足や僻地での労働緩和を目的としているが、人が居なくなった測候所は荒れてしまうと言う問題が発生しているらしい。
草が生い茂ってしまうと風通しが悪くなり、気温が上がる?
→観測史上最高温度が観測されましたってのはこの原因もある?
なんて斜めから見てしまったのでありました。
このようなデータ観測は測定し直しができないから、ちゃんとメンテをいれた方が良いと思います。
無人測候所荒れ模様…草木生い茂り観測に影響 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
無人測候所荒れ模様…草木生い茂り観測に影響
気象庁が全国にある測候所の無人化を進める中、施設周辺の環境が荒れ始めていると懸念する声が専門家から上がっている。
草木が生い茂り、風速や気温の観測データに微妙な影響を与える恐れもあるという。環境整備を訴える専門家に共感し、木の伐採など自主的な対策に乗り出す自治体も出てきた。
測候所の無人化は、国の公務員削減の一環として1996年から始まった。全国で96あった測候所のうち、これまでに富士山頂の富士山測候所などが無人化され、今年も潮岬測候所(和歌山県)などが対象になった。来年度中に残る8か所の無人化が完了する見通しで、気象庁は「無人化後も施設の定期点検を行っており、観測には影響しない」としている。
しかし、気象学が専門の近藤純正・東北大名誉教授(76)(神奈川県平塚市在住)が、各地の無人化した測候所を訪ねて歩いたところ、周辺に雑草が生えて荒れ放題の施設が目立った。無人化された測候所は、観測機器の周囲数十平方メートルほどがフェンスで囲まれており、同庁が定期的に草を刈るなどの管理をするのはその中だけ。周囲に草木が茂ると防風林代わりになり、風速が弱まってしまう。
近藤さんは「草木の繁茂がひどくなると風通しが悪くなり、観測機器周辺の気温が上がる」と危惧(きぐ)する。2003年に無人化された石廊崎(静岡県)では、無人化後に建物の周囲で木が生い茂り、ここ数年の観測データは、1960年頃に比べて年平均風速が20%以上弱くなり、年平均気温も上昇傾向にある。
無人化された測候所の中には、宮古(岩手県)や深浦(青森県)、津山(岡山県)など、100年以上の観測記録が残る施設もある。正しい観測データがとれなくなると、これまで蓄積された貴重なデータも意味が薄れてしまう。
近藤さんは2000年頃からこうした地域に何度も足を運び、地元の自治体職員や文化施設職員など、関心のありそうな人に環境整備の重要性を訴えてきた。津山には7回、深浦にも3回足を運んで周辺住民や首長を説得し、深浦町では「歴史の長い施設の観測環境を守ることは大切だ」(町総務課)として、町が樹木の伐採を行うなど対策に乗り出した。
近藤さんの取り組みを支持する伊藤公紀・横浜国立大教授(環境計測学)は「測候所や気象台で集積されるデータは、地球環境の変化などに関する国際的な議論の土台になる。観測環境を整えるのは基本中の基本だ」と指摘する。
近藤さんは「地球温暖化問題では長期間のわずかな気温上昇を議論しなければならないのに、今のままでは温暖化の監視が危うい」と話し、今後も全国行脚を続ける考えだ。
◆測候所=気象庁が各都道府県の中心都市などに設けている管区気象台や地方気象台とは別に、気温や風速、気圧など、天気予報に必要となる詳細なデータを集めるために設置。無人化後は名称が「特別地域気象観測所」に変わり、観測結果は自動的に気象庁に送信されている。
(2009年12月10日14時32分 読売新聞)