平針の里山

この仕事をしていると、開発側の視点に偏向する傾向があるのですが、平針の里山を守ることに賛成でも反対でもございません。
引っかかったのは、ボーリング調査で水源となるような地層ではないと評価したのは・・・いかがものかと、少し思ったくらいです。
水理地質は専門ではないけど、そんな簡単なものではないと思います。
反対派が貴重な水源をなんていう不思議な理由をつけて反対しているのでしょう。
こういう反対運動をみると、どちらの言い分を聞いても嫌になります。

ここにきて名物市長がこの土地を市が買い取ると言いだした。買い取るお金は、税金です。
おいおい・・・そんな買い取るって簡単に言うなというのが正直な感想です。
「平針の里山」を税金で買い取るのであれば、その税金で何かを得なければなりません。
里山の保全は誰がするのでしょうか?それにかかる費用は誰が出すの?
里山公園として公開するのでしょうか?それを誰が管理するの?

反対派ってのは、純粋に里山を守ることを本心で言っている人と、自分の家の周りが荒れるのがただ嫌な人と、色んなものの寄せ集めなんでしょうでしょうから、自然保護=正義なんて簡単に考えるのには問題があるように思います。

宅地造成して売り出したところで、僕は購入できるだけのお金がないという冷ややかな視線で見ているところであります。

中日新聞:平針の里山、名古屋市が保全へ :社会(CHUNICHI Web)

平針の里山、名古屋市が保全へ 

2009年7月29日 10時50分

 開発か保全かで揺れる名古屋市天白区の平針地区の里山について、同市はそのままの姿で残すため買い取る方向で検討を始めた。市民に開放して環境教育にも活用する計画だが、土地を所有する開発業者との交渉は難航も予想される。

 同市で来年10月に開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を控え、自然との共生モデルとして会議のキーワードとなる「里山」の開発は、何とか避けたいという河村たかし市長の強い意向が背景にある。

 関係者によると、市は既に不動産鑑定士による鑑定評価を実施。里山5ヘクタールの価格は22億円とされた。買い取りには議会の同意が必要で、市が最終的に買い取りを決めた場合は、市内部の「公有財産価額審議会」でこの額が妥当か否かを議論した上で、議会に諮ることになる。

 市に開発許可を申請している業者は、本紙の取材に対し、少なくとも私立学校の建設地2ヘクタールの開発は譲れないと強調。ボーリング調査の結果では、雑木林が広がる予定地は粘土質で「(地元住民らが主張する)雨水が染み込み、水源となるような地層ではない」としている。

 その上で「里山保全には(残り3ヘクタールの部分にある)ため池や水田を残せば良いのでは」として、条件次第で申請を取り下げ、残る3ヘクタールの買い取りに応じる構えも示している。

 一方で、地元住民らでつくる「平針の里山保全連絡協議会」(会長・宗宮弘明名古屋大教授)は「樹林や果樹園、水田、ため池、湿地を箱庭的に備えた里山の原型」として、5ヘクタール全体の保全を要請。市が買い取る場合に寄付できるよう、募金活動も始めている。

 宗宮会長は「COP10、少子高齢化の時代に、こんな素晴らしい里山を破壊し、宅地や学校を造るべきだろうか」と訴えている。

 <平針地区の里山問題> 元の地主の死去に伴い開発業者が昨年取得。5ヘクタールのうち3ヘクタールを宅地造成、残り2ヘクタールを別会社に転売して私立学校を造る計画。4月下旬に開発申請したが、市は、河村たかし市長の一存で保留したまま。今月中に許可が出ない場合、業者側は市を訴える構えも見せている。

(中日新聞)

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