これからの洪水対策

NHKの解説委員のブログに「これからの洪水対策」という記事が出ていました。

(以下引用)

2008年05月21日 (水)

おはようコラム 「氾濫させる柔軟な洪水対策」

《阿部キャスター前説》
 台風や低気圧の影響で今年は春から雨が多くなっていますが、最近、一定規模以上の洪水は氾濫させる対策が河川や防災関係者の注目を集めています。

Q1:氾濫させて洪水を防ぐというのは、どういうことですか?

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《山?解説委員》
一般に洪水対策というと堤防を作って周辺を守ることを考えますが、そうす
ると今度はそこで溢れていた水が下流に流れ、水量が増して、次は下流の堤防を強化する必要がでてきます。したがって堤防を作る場合には、下流から順番に造っていくのが原則になっていますが、これだと中流や上流の対策はなかなか進みません。そこで下流とは別に、中流や上流での対策を進めようというものです。

Q2:どんな工事をするのですか?

まずは人命と住宅を守るために、集落だけを囲うような堤防を作ったり、住宅が少ない場合は宅地をかさ上げしたりします。一方、田畑については一定規模の堤防を作って洪水の頻度を減らすようにしますが、何十年に一度といった大雨が降った場合は氾濫させて、下流の堤防を強化しなくてもいいようにします。こうした工事は、青森県に流れる馬淵川や京都の由良川などで行われています。

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Q3:どうしてこうした工事を行なうようになったのですか?

A3:最近、各地でかつてはみられなかった猛烈な雨が降る回数が増え、堤防が決壊する回数が多くなっていることがあります。しかも国が管理しているところよりも、都道府県が管理している河川の中流などの決壊が多くなっているのです。
もう一つは国や自治体の財政難で、下流から上流までの長い堤防を建設することが難しくなってきたことです。

Q4:洪水対策の考え方が変わってきたのですね?

A4:これまでのように力で洪水を完全に抑え込むのではなく、「河は時々溢れることがある」ことを前提に、洪水をかわしながら被害を最小限に食い止めようというわけです。
 都会でも学校や公園などの地下に水を貯める施設を作ったり、公共施設などで雨水を貯めてトイレの水などに利用したり、雨水を地下に染み込ませる装置を各家庭に取り付けたりしているところがあります。
いずれも降った雨を一気に下水や河川に流れないようにする取り組みです。
雨の降り方が激しさを増す傾向にある中、雨を柔軟に受け止めて被害を減らす対策を全国の河川や自治体でも考えて欲しいと思います。

                                  

投稿者:山? 登 | 投稿時間:08:26

 

(引用終わり)

 

これまでの行政は、より強い河川堤防を作って対策するという施策だったと思います。

もともと、河川堤防を上流から下流まで同じ高さや強度で作ることは不可能だと思っています。

(もともと解ってたけど・・・金があるからやっていたなんて言われかね無い話です。)

実際の所、日本での河川増水の災害は、一気に増水するタイプのため、堤防の低さから越流して決壊するタイプの災害がほとんどです。

長い間、増水が続き、堤防の弱いところから水が漏れ出すという災害はあまりないようです。

 

川の増水は、その堤防の弱いところを狙ってくるものですから、そこを強くしたり嵩上げしたりすれば、今度は違うところが決壊するといった話になります。

それならば、この記事にあるように、「大雨が降ればこの区間をあふれさせる」と決めるしかありません。

この対応の問題は、水に浸かる土地の持ち主に対してコンセンサスが取れるかどうかと言うことだと思います。

これが一番厄介な話であるのは言うまでもありませんが・・・

 

 

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