体感降雨強度
タイトルは硬いものですが、雨の強度ってどういう風に感じるだろうと言う自分を用いた感覚実験をしました。
最近まで水文調査を担当していたのですが、データでは時間雨量○○mmとか日雨量○○mmとか言いながらも「実際にどんな雨なんだろう?」と思うと思い浮かびません。
情けない話ですが、一時間10mmの雨ってどんな感じの雨だか想像できないので、想像できるようにトレーニングしております。
5/19、気象庁では、私の住む東海地方で総雨量300mmの雨が降ると予想していました。
大雨と暴風及び高波に関する全般気象情報 第2号成20年5月19日16時30分 気象庁予報部発表 (見出し) 19日から20日にかけて、近畿地方から北日本の太平洋側の地方を中心 に大雨となる見込みです。また、20日は関東から北海道地方の太平洋沿岸 や海上を中心に非常に強い風が吹き、海上は大しけとなるでしょう。大雨、 暴風、高波、突風、落雷などに注意、警戒して下さい。 (本文) [気圧配置の予想] 19日15時現在、九州の南海上にある低気圧が発達しながら北東へ進み 、20日朝には関東付近へ達し、その後、20日夜には北海道付近に進む見 込みです。 なお、沖縄の南海上にある台風第4号は、20日午後には日本の南海上で 温帯低気圧に変わる見込みで、今後予想される大雨と暴風及び高波は台風第 4号とは別の低気圧の影響によるものです。 [防災事項] <大雨> 近畿地方から関東甲信地方の太平洋側では、19日夜から20日の昼頃に かけて、 東北地方から北海道にかけての太平洋側では、20日未明から夜にかけて 、 雷を伴って1時間に40から60ミリの非常に激しい雨が降り、大雨とな る見込みです。 土砂災害や低地の浸水、河川の増水などに注意・警戒が必要です。 20日18時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で 東海地方 300ミリ 関東甲信地方(伊豆諸島含む) 250ミリ 北海道地方 200ミリ 近畿地方南部、東北地方太平洋側 180ミリ の見込みです。 <暴風、高波> ・・・以下省略
名古屋地方気象台の実測値の降雨状況は以下の通りです。
これを見ると、5/19の17:00頃から降り始めて、明け方の5時がピークとなっています。
この期間の総降雨量は52.5mmとなっており、予報値の約18%と言う結果となりました。
私は、5/19の21時頃に帰宅しましたので、ちょうど雨が強くなったころです。
21時台は1時間当たり5mmとありますが、結構強い雨です。雨宿りしようかなと思ったくらいです。
通勤でストレス無く出歩けるのは3mm程度まででしょう。
一番よく降ったときで5時の9mmです。結構降ったのではないかと思います。
たぶん、土砂降りだなあと思う程度なのかも知れません。
東海豪雨は24時間で535mmを観測しています。
単純に24時間で割っても一時間22mmとなりますので、経験していませんが相当すごかったのだろうと思います。
静岡のデータですが面白いものが転がっていたので転載します。
10分間降水量と時間降水量との関係
縦軸は10分間降水量、横軸は1時間降水量です。
10分間に観測された降水量に対して、1時間の降水量がどれくらいになるかを確率形式で示してあります。
この表では10分間に12mm降ったとすると、激しい雨になる確率が39%となることがわかります。
降水強度は10分間に降った雨の強さが1時間持続したと仮定した降水量です。
最大
10分間
降水量降水強度
(時間換算)最大時間降水量 弱い雨 並み雨 やや
強い雨強い雨 激しい雨 非常に
激しい雨猛烈な雨 1?3
mm4?9
mm10?19
mm20?29
mm30?49
mm50?79
mm80?
mm1mm 1?6mm 94% 6% – – – – – 2mm 7?12mm 32% 67% 1% – – – – 3mm 13?18mm 10% 68% 22% – – – – 4mm 19?24mm 2% 49% 49% 0% – – – 5mm 25?30mm – 33% 58% 9% 0% – – 6mm 31?36mm – 21% 61% 18% 1% – – 7mm 37?42mm – 12% 58% 26% 5% – – 8mm 43?48mm – 7% 50% 34% 9% – – 9mm 49?54mm – 3% 39% 39% 19% – – 10mm 55?60mm – 1% 36% 36% 27% – – 11mm 61?66mm – – 32% 35% 31% 2% – 12mm 67?72mm – – 18% 36% 39% 6% – 13mm 73?78mm – – 14% 24% 50% 12% – 14mm 79?84mm – – 9% 32% 48% 12% – 15mm 85?90mm – – 7% 28% 42% 22% 1% 16mm 91?96mm – – 8% 16% 46% 30% – 17mm 97?102mm – – 3% 27% 33% 37% – 18mm 103?108mm – – 3% 28% 34% 34% – 19mm 109?114mm – – – 22% 50% 17% 11% 20mm 115?120mm – – – 6% 38% 44% 13% 21?
25mm121?150mm – – – 19% 19% 36% 27% 26?
mm151?mm – – – – 33% 17% 50%
静岡県内の気象官署(1961?2000年)の観測データによる。
小数点以下は切り捨てです。
まあこんな具合に、体感降雨強度と実測値には乖離したものがあるように思います。
また雨が降ったら、検討してみたいと思います。