SWS試験(スクリューウェイト試験)のデータ偽造なんてニュースを朝から見た
SWS試験(スクリューウェイト試験)なんて言いますけど、昔の呼び方はスウェーデン式サウンディング試験ですね。
地盤調査のデータ偽造 愛媛の会社が四国で33件:朝日新聞デジタル
よくボーリングのデータ偽造のことを、掘っちゃったつもりボーリングなんて揶揄しますが、SWS試験だとねじっちゃったつもり試験とでも言いましょうか。
この試験、100kgのオモリを先端にスクリューが付いたロッドに載せて、沈む量やねじ込んだ回数を計測する試験で、私も時々調査計画に入れることがあります。
今は、専用機械があってその試験は機械で行う事が多いです。
利点はボーリングマシンが置けないところでも試験が出来て、安価でそれなりの結果が出ること。
欠点は地中に小さい障害物(瓦礫・礫・玉石など)があればそれ以深の試験が出来ないこと。
ただこの記事見ていて気になったことは「鉄の棒を深さ10mまで突き刺す」って説明である。
発表した地盤調査会社がそう説明したかどうなのか知らないが、10mまで入ったSWS試験の結果は見たことがない。
ほぼ、その間に目的とする若干硬い地盤に到達するか、小さい障害物にあたって試験が出来なくなって終了する。
ボーリング調査でもそうだが、目に見えない所の調査をするのだから、インチキしだすと歩留まりが悪い話である。
住宅相手のSWS試験では、実際にベタ基礎なんかの直接基礎にするから、表層を掘削したらすぐバレルのにね。
まあそう言う意識が試験した人になかったと言うことでしょう。
業界全体に広がる不正防止システムなんて事を書いてある。
まあ金出してまで読みたいと思わなかったので、それ以降は知らない。
さて私もこれまで実際に現場で機械を使わない方法で数回やったことがありまして重たいし非常にめんどくさいのです。
そのため機械でやることになって機械を使う方法が一般的になりました。
機械を使って試験が出来る利点は、「1人でできるもん」という話で、いろいろ手間は増えますが1人で出来ます。
通りがかりでこの仕事をやっている人を見ていると大概立合者なしで1人でやっている事が多いです。
この人手不足の折、お客さんからもらえるお金も少ないですから、1人作業にならざる得ません。
まあ偽造が起きやすい条件はここなのかも知れません。
私がこの試験を「やってもらう」ときは、試験者に現場を案内して「後はよろしくね」という事をしないようにしています。
終わるまで試験に立ち会うようにしています。理由は以下の通り。
- 本当に支持地盤を確認したか、それとも地中障害物にあたったかを試験者だけに判断させるにはリスクのある試験だと認識しているから。
- 砂礫の地盤であっても試験結果を求めてくるので、1ヶ所1回の試験で終わらせるつもりがないから。
- 地中障害物が、地中埋設物でトラブルが起きたときに対応がおまかせだと遅れるから。
そう言う意味で、私はこの試験を行うときは現場に貼り付くことにしています。
そういえば、サウンディング試験だったか、地中レーダー探査だったかの写真とともに、「今日は○○試験をやりました」なんてことを、実際にやってないただ監督をしていた人が書いていたのを見たことがある。
それは日本語の間違いで「やってもらいました」と書くべきであって、実際の所「やらせました」と言うことです。
そう言う空気が出てくると、なんとなくやったつもり調査になるような気がしないでもありません。
四国の男性社員20歳か、月給いくらだったんだろう?なんて余計な事まで考えてしまうことになります。
窓際のおじさんが心配しても、何も解決いたしませんが・・・
https://twitter.com/BzPnspyCYt8MNMj/status/1429299654261235716
コメントいただきました。ありがとうございます。
このオペさんに返事するとTwitterロックすることがあるので怖いのですが・・・
うちの会社にSWS試験頼んでくるお客さん。見積見て断ってきますからね。それでもやってくれと言うお客さんしか相手にしていません。そう言うことです。
— はっぴ~まん (@happymanjp) August 22, 2021
これが答えですな。うちに現場○件分を支払ってもやってくれと言うお客さんしか相手にしないってことです。
危なっかしくてそんなお客さんとは仕事出来ませんもん。