黄鉄鉱が地表に曝露されることによる環境問題

黄鉄鉱は、堆積岩中(特に泥質岩)などに良く含まれる硫化鉱物であり、特に珍しい鉱物ではない。
地中に存在している分には問題はないが、大規模掘削(切土など)で地表に大きく曝露させた場合や掘削残土と水の反応で、酸性水を生じさせる問題がある。
以下の化学反応が起こっている事が言える。
FeS2 + 7/2 O2 + H2O = Fe2+ + 2SO42- + 2H+
2FeS2 + 7O2 → 2FeSO4 + 2H2SO4
黄鉄鉱     硫酸第一鉄  硫酸
2FeSO4 + 0.5O2 + H2SO4 → Fe2(SO4)3 + H2O
硫酸第一鉄     硫酸  硫酸第二鉄
2FeS2 + 7.5O2 + H2O → Fe2(SO4)3 + H2SO4
発生した酸性水(硫酸)は、強酸であるためいろんな重金属を溶かしてしまい、さらに二次的な汚染が懸念される。
上記に該当する岩石かどうかを簡易判定する目的として、過酸化水素水(酸化剤)を用い、pHを測定する。
詳細な判定としては溶出試験を行う。
対策としては、掘削残土に石灰を混ぜて中和させることが考えられるが、石灰が高価なため、方解石を含む石灰岩などの掘削土を混ぜて処理するのが現実的らしい。
恥ずかしながら、こういう問題があることを知りませんでした。
・参考link
地下開発の思わぬ落とし穴
-掘削ずりに含まれる黄鉄鉱の酸化にともなう酸性化-

(これはまだまだ調査中です:変更予定があります)

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黄鉄鉱が地表に曝露されることによる環境問題” に対して0件のコメントがあります。

  1. ageee より:

    お久しぶりです。
    大変興味深い問題だと思います。
    >黄鉄鉱は、堆積岩中(特に泥質岩)などに良く含まれる硫化鉱物であり、特に珍しい鉱物ではない
    とのことですが、堆積岩以外(たとえば花崗岩とかマサ土だとか)にはあまり含まれないのでしょうか。
    過酸化水素水の試験は、過酸化水素水中に試験体を入れてPHを測定するのでしょうか。どれくらいのPHだと問題があるのかわかりますか?
    以上よろしく。

  2. happyman より:

    コメントありがとうございます。
    この問題・・・もう少しちゃんと調べて、形にしたいと思います。
    花崗岩そのものにはあまり含まれない鉱物だと理解しています。またその風化土である、まさ土も同様だと考えます。
    硫黄元素の物質循環って硫酸還元バクテリアとか、興味深いのですが、かなり複雑なような気がします。

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