「ダムカレーは不謹慎?」地質屋さんになれなかったボーリング屋さんに勤めているおじさんの「ダムカレー論」

ショッキングな話題が目に入ってきました。「ダムカレーが不謹慎だ」って話。

 

ダムカレーは不謹慎だ、ふざけるな!被災地の土木屋が大激怒 | 施工管理技士を応援する『施工の神様』

まずは、ちゃんと論理構築されている筆者さんに敬意を表します。

SNSやらなんやらで批判している人達の論調は瞬間湯沸かし器みたいなところありますから大変です。

非常に真面目に考えている人なのに、軽い正義感を持った人たちに「キチガイ」扱いされるのは、現代社会の象徴なのかもしれません。

さて私は、ダムカレーに対して、以下の様に考えております。

0.ダム事業は、もう既にオワコンなんだ。

私がこの仕事を始めた時には、まだダムの地質調査の仕事が数多くありました。

長野県知事が「田中康夫」さんになった時に出た言葉「脱ダム宣言」がちょうどその転換点の時期に入っておりました。

脱ダム宣言なんてしなくても、もうダムを造ると言うこと自体が終息になりつつあったのだと今になって思います。

私の住む愛知県には、設楽ダムという豊川水系のダム計画がまだあります。

私自身、その関連事業(道路整備など)の仕事はしたことが有りますが、その本体の仕事は参加したことがありません。

会社と私に技術力がないからに尽きますが、もうそこに積極的に足を踏み込む気にもなりません。

既にダムを造る事業そのものが、いまどきの言い方であれば「オワコン」なところがあり、もうダム事業専業の建設コンサルタントは数年前に絶滅しました。

それだけで喰っていくことはできず、総合建設コンサルタントの一部門に留まっています。(その中はどうなっているか私は知りません。)

まあ既に国土開発、土木事業そのものもオワコンに突入しているのかもしれませんが・・・。

1.ダムは、高度経済成長期における輝かしい土木遺産だが、その地域を過疎化を加速させた原因の一つでもある。

仕事で、天竜川水系の地域に訪れることが多いですが、もうどこも過疎化が進んでしまっています。

ダムを作ったから過疎化が進んだというのは言い過ぎなところがありますが、佐久間ダムの建設で村のほとんどが水没した富山村は、隣の豊根村に合併されてしまいました。

その豊根村ですら、まあ人が居ない(苦笑)。村おこしで色々やっていますがねえ、まあさみしいもんです。

人が居なくなると予見したところにダムを造るのかという見方も出来ますが、まあ人が減れば減るほど集落が加速させるのも事実なわけで、ダムを造るということはそういうことなのでしょう。

2.ダムカレーは、ダムと共存共栄していこうという地元の人々の心の表れでは無いのか?と考えております。

そんな過疎化した村ですが、人がそこで生きていく限り、喰っていかなければなりません。

主要な産業もありませんから、道の駅とか日帰り温泉とかいろいろ集客施設を作って観光に来てもらっています。

ダムが出来たことによって、過疎化が促進されてしまったかも知れませんが、それを負の遺産だと思わず、共存共栄をしていこうという心の表れがダムカレーにこめられていると私は考えております。

豊根村なんかもうダムカレーいっぱいですわ・・・

ダムを壊して、決壊を楽しむなんてそんな食べ物には見えませんよね。

確かに、食べる時はダムが壊れますが・・・実際に決壊してダムが崩壊したような絵にはなりません。

ほら・・・葉っぱが引っかかってじゃなくて、粘性が高くて被災地みたいにはなりません。

まあ不謹慎な私は決壊を狙って写真を撮ったんですが・・・

3.私はダムカレー食べるようにしています。

私は、そんな過疎地域に仕事に行くことが結構有ります。

土木事業で飯を喰わせてもらっている立場から、少ないこづかいではありますが、そう言う店で飯を喰うようにしています。

まあ私みたいな貧乏サラリーマンがどんだけ地元に金を落としても知れているかも知れませんが・・・

道の駅 豊根グリーンポート宮嶋にやってきました。みどり湖だけにグリーンカレーのダムカレーをいただきました。 – はっぴ~まんのあれやこれや

愛知県豊根村の湯~らんど パルとよねにやってきました。温泉は子供連れでいっぱいだったのでまたまたダムカレーを食った。 – はっぴ~まんのあれやこれや

まあ、弁当持って来られないときに、店がないとお腹が空いて元気が出ないという現実もあります。

その村にはコンビニすらないのですから・・・

4.ダムカレーは不謹慎か?

私は、被災地で働いても居ないし、大規模災害の被災地にすら行ったことがほとんどありません。

ダムが壊れて街を壊した所を見たことがありませんから、「ダムカレーはけしからん」という筆者の気持ちを汲み取ることができません。

まあ本当に悲惨なところなのでしょう。

将来、そう言う被災地で働くことがあるかどうか解りませんが、そんなところで復興事業に取り組んだら私の考えも変わるかも知れません。

ダムカレーを楽しんで食べてもらいたいと作っている地元の人は、うちの村のダムが壊れるとは思っていません。

せっかく過疎地の村まで遊びに来たんだから、うちにはダムしか有りませんが・・・ダムカレーでも喰って帰ってくださいというそれだけのことなんです。

ダムカレーを食べる時には、「ダムカレーは不謹慎だ」と言った気持ちも思い出して食べるのが最善策なのかも知れません。

5.日本ダムカレー協会が似たような論調で反論してた・・・

 

「ダムカレーは不謹慎」批判記事が物議 日本ダムカレー協会が反論「過疎化に悩むダム水源地の方々が考えだしたもの」|BIGLOBEニュース

はい、地元に行くとそのように感じます。

あっちの村で盛り上がっているからうちもうちもという日本人的やり方とそれの協会を作って大々的に盛り上げてしまったことが、「ダムカレー不謹慎」と言わせた一因のような気もします。

 

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