映画「天使と悪魔」に出てきましたね(反水素原子)

3ヶ月くらい前に、「天使と悪魔」という映画を見たのですが、「反物質が爆発する」という設定で物語が進んでいったのを思い出しました。
SFの世界の話が、現実に少しだけ近づいたと言う話だそうです。
ただ・・・難しすぎて私にはさっぱりですが・・・。
極めて不安定な反水素原子を作り出せるようになったから、これから分析することができるよ!と理解しました。

動きがのろい冷反水素原子を38個も磁気瓶に閉じ込める!|2010年 プレスリリース|理化学研究所

動きがのろい冷反水素原子を38個も磁気瓶に閉じ込める!
-物質と反物質の違いを知る手がかりとなる冷反物質研究が新段階に-
平成22年11月18日

図 反水素を捉えた八重極磁気瓶の構造(円筒電極内径4.45cm、長さ約50cm)

私たちが存在する宇宙は、約137億年前に起こった大爆発(ビッグバン)から始まったと考えられています。ビッグバン直後は超高温・高密度の状態にあり、粒子と反粒子が対生成、対消滅を繰り返していました。やがて温度が下がると対生成が起こらなくなり、対消滅だけが続きましたが、このとき、粒子が反粒子より10億分の2程度余計にあったため、私たちの宇宙には反物質ではなく物質だけが残った、と考えられています。それではなぜこのわずかな違いが生じたのでしょうか?長年、世界中の研究者が頭を悩ませつづけています。

基幹研究所山崎原子物理研究室は、8カ国からなる欧州原子核研究所(CERN)の国際共同研究グループに参加し、反物質の代表格である反水素原子を、独自に開発した八重極磁気瓶の中に38個も閉じ込めることに世界で初めて成功しました。

研究グループは、反水素原子の原材料である反陽子(陽子の反粒子)と陽電子(電子の反粒子)を、八重極磁場コイルとミラーコイルを組み合わせた磁気瓶の中に蓄積し、そっと混ぜ合わせて冷たい反水素原子を大量に生成しました。反水素原子は電気的に中性の小さな磁石なので、反水素原子ができあがったころ(約1秒後)を見計らって、電圧を加え残存している反陽子と陽電子をことごとく排除しました。その後、磁気瓶の磁場を瞬時にゼロにすると、磁気瓶内にとどまっていた反水素原子は装置の壁に当たって消滅し、パイ中間子などのさまざまな粒子を放出します。これらの粒子を、磁気瓶を包む3枚の検出器で観測した結果、捕捉していた反水素原子を38個も確認することができました。

今回、反水素原子を生きたままで閉じ込めることができたため、高精度レーザー分光で反物質のさまざまな性質を観測するための材料を入手したことになります。反水素原子を基にした反物質研究が新たな段階に入り、いよいよ基礎物理学の根幹にかかわる実験が始まります。

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