土質力学初級集中講座2(土圧)
6月26日の2講目は、名城大学の小高先生の「土圧」の講義でした。
「土圧理論」について
地盤の鉛直方向の圧力分布は、深度を増す毎に増加する。
地盤の水平方向の圧力分布は、土粒子同士に発生する摩擦力によって、鉛直方向の土圧の4~7割程度しか発生しない。
静止土圧:水平地盤内で静止している水平応力
静止土圧状態:水平地盤と同じ応力を維持するには非常に強固な擁壁が必要になる→過剰な状態である
主働土圧:鉛直応力が卓越して土が破壊するときの水平応力
→擁壁を水平方向に土から離していく破壊寸前の状態:主働土圧状態
受動土圧:水平応力が卓越して破壊するときの水平応力
→擁壁を水平方向に土に押し込んで破壊寸前の状態:受動土圧状態
三軸試験の応力経路・・・これはせん断の講義の話と一緒かな?
代表的な土圧理論として、ランキン土圧とクーロン土圧がある。
ランキン土圧は、破壊時の土の応力状態に着目する。モール・クーロンの破壊規準(c、φ)
クーロン土圧は、土の破壊モード(壊れ方)に着目する。粘着力C=0の砂、φのみで検討
ランキン土圧について
モールクーロン破壊規準より、主働土圧と受動土圧の計算
擁壁全体に作用する力を土圧合力と呼ぶ
主働土圧合力によって粘性土地盤の限界鉛直自立高さの計算ができる
クーロン土圧について
地盤内に直線すべり面を仮定した(くさびのすべり)計算
受動土圧合力はランキンの受動土圧と等しい
クーロンの主働土圧合力は、擁壁の形状をそのまま使える利点がある
(この辺りは頭の中が混乱中である)
擁壁の安定条件
1.滑動:擁壁底面と地面との摩擦力Rで抵抗する
2.転倒:擁壁底の点のモーメントのつり合いを考える
3.支持力:擁壁底面から地盤に伝わる荷重が支持できるかを検討する
L型擁壁の利点は、裏込め土の自重を利用して土圧に抵抗できること。
重力式擁壁よりも軽くなるので支持力が得やすい。
掘削時の矢板の安定性の検討
矢板の背面地盤は、矢板が離れていく条件になるので主働土圧状態になる
掘削定番の地盤は、矢板によって地盤が押し込まれるので受動土圧状態になる
安定性を失う限界掘削深さの検討は、矢板先端部を中心としたモーメントのつり合いで考える
(感想)
土圧と聞くとアレルギー状態になってしまう自分が居たが、講義を聴いたら解ったつもりにはなったた。それ以上の感想が書けないから、たぶんよく解ってないんだろうなあ。