木造建築物と地盤の関係
木造の建物には、周期1~2秒の揺れが被害を受けやすいとここでは書かれている。
「今回の地震では木造建築物に被害を及ぼしやすい周期1~2秒の揺れが少なかった」という書き方よりも、そういう波が増幅されやすい地盤では無かったと言った方がよいのではないだろうか・・・。
常時微動測定は、免震構造物に限らず、木造の建物とその地盤に対しても実施した方が良さそうな気がする。
岩手北部地震:建物倒壊なし 少なかったキラーパルス – 毎日jp(毎日新聞)
岩手北部地震:建物倒壊なし 少なかったキラーパルス
岩手北部地震は、岩手県洋野町で震度6強をはじめ各地で強い揺れを観測した。しかし、地震の大きさに比べると、建物倒壊はなく、被害も少なかった。これは、木造家屋など建物を押し倒す力を持つ周期1?2秒の「キラーパルス」と呼ばれる揺れが少なかったためとみられる。
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の観測では、揺れの強さを示す加速度は盛岡市玉山地区で最大1019ガルを記録し、阪神大震災の最大値818ガルを上回った。しかし、源栄(もとさか)正人・東北大教授(地震工学)によると、周期は0.2秒が目立ち、キラーパルスが少なかった。
筑波大の八木勇治准教授(地震学)は「気象庁の観測は、体感重視の0.5秒より短い周期の揺れから震度を計算しているため、震度が大きくなる傾向がある」と説明する。
また、震源の真上より70キロ以上離れた洋野町で震度が大きかったことについて、八木准教授は「震源の真上は北上山地で、花崗岩質で硬く地盤が強い。一方、これより北側の青森県八戸市周辺は、堆積層で揺れが増幅されやすいので、よく揺れたのではないか」と推測する。
また、岩手大工学部の山本英和准教授(地震工学)によると、震度6強を記録した地点は、以前から周囲より大きい震度を観測することで知られていたという。山本准教授は「火山性の堆積物で地盤の表面が柔らかく、地震の短周期に地震計が特に反応した可能性がある」と話している。
【山田大輔、河内敏康、江口一】2008/07/24