「中部・近畿、震度7予測 東南海より先の恐れ」が報道されています
happymanです。
少しショッキングな記事が報道されました。
大阪と名古屋で地盤調査会社に勤務した地盤の印象ですが・・・
近畿圏(大阪平野)の活断層については、地層のコントラスト(砂・礫層と粘土層)がはっきりしているので、「地層が繋がらないから、この辺りに断層があるかな?」と言う想定がまだ出来るように感じます。
中部圏の活断層は、地層のコントラストがあまりはっきりしないため、大規模な調査(オールコアボーリングやトレンチ調査を伴う学術調査的手法)が必要に感じます。
近畿圏でも京都や奈良や滋賀なんかは、名古屋と大阪の中間って感じの印象を漠然と持っています。
お客さんに「ここの敷地は断層が通っているの?」なんてことを聞かれます。
阪神淡路大震災の時の淡路島で民家を分断した断層をイメージされているのでしょうか?
私の考えでは断層は一本線ではなく、ゾーンで分布していると考えた方がいいと思っていますし、研究で明らかになっていない断層のリスクも同様にあると考えています。
それよりもここの敷地が、「地震によってどんな揺れを起こすのか?」、「地震の揺れによってどんな被害が出るのか?」に興味を持った方が良さそうに考えます。
もちろん活断層直上では強震動が生じるとは思いますが、そういう意味では、今回の震度予想図は地盤状況も考慮した結果となっているように見えます。
大範囲の図ですし、このような地図に載らないような、池の跡地や谷を埋めた土地などは、もっと違う揺れが生じるといわれています。
今回報道されたような地震が中部圏で発生すれば、経済に与える影響はかなり大きいように感じます。
都市機能や工場を集中させることは、何もないときには便利で効率的だと思いますが、地震が発生して被害が生じたときのダメージはかなりなものになるように思います。
中部・近畿、震度7予測 東南海より先の恐れ
政府の中央防災会議の専門調査会は7日、中部・近畿圏で活断層などが原因で起きる可能性がある直下型の大地震について、震度予測を初めて公表した。内陸でも川沿いの地盤の弱い地域などを中心に阪神大震災級の震度7の揺れに見舞われる恐れがあるとしている。
座長の土岐憲三立命館大教授は記者会見で「中部、近畿は活断層の集中地帯。(今世紀前半の発生が懸念される)東南海・南海地震に先立って地震を引き起こす可能性が高い」と指摘、自治体などに注意を呼びかけた。
予測対象は、マグニチュード(M)7・0以上の地震を引き起こす可能性のある39の活断層と、人口が密集する阪神地域直下、名古屋市直下の地震。
断層ごとの予測では、猿投?高浜断層(愛知)で起こる地震は最大でM7・6と見込まれ、名古屋市東部や豊田市など愛知県内の10市3町に震度7の区域が分布している。
また、名古屋市と阪神地域の直下で「国内各地で起こり得るレベル」(同会議)のM6・9の地震が起きた場合、名古屋、大阪両市のほぼ全域を震度6強の揺れが襲う恐れがある。 大阪湾断層の地震では関西国際空港で最大5メートル、伊勢湾断層では、中部国際空港で最大2・5メートルの津波が予測される。
政府は予測結果を基に、来年度中をめどに被害想定をまとめた上、京都、奈良に集中する文化財の保護や、観光客対策を含めた防災計画の策定を進める方針。
予測の結果は内閣府防災担当のホームページに掲載する。 (中日新聞:2006/12/08)