地下水排除工の集水井内での酸欠事故

地下水排除工の縦坑内で酸欠事故があったそうです。
集水井内で発電機?高圧洗浄機を設置していたとのことなので、それが酸欠の原因になったらしいです。
縦坑内に入るだけでも酸欠の心配がありそうなのに、その中でエンジンを動かしたというのは、怖い次第です。
私も何気にやってしまいそうな事ですが、「こういう作業をしたら、こういう状態になる」という想像力が欠如していた結果なのかも知れません。

マニュアル以前の問題だなと自戒の意味を込めて記事を残します。

中日新聞:井戸で作業中に2人死亡 長野・大鹿村、1人も重体:社会(CHUNICHI Web)

井戸で作業中に2人死亡 長野・大鹿村、1人も重体

2010年6月21日 21時19分

 21日正午ごろ、長野県大鹿村の地滑り対策の工事現場で、水抜き用の井戸(直径約3・5メートル、深さ約10メートル)に入った作業員3人が倒れ、このうち同県飯田市下久堅下虎岩、会社員滝沢幸春さん(45)と同市白山町、会社員吉沢保さん(39)が死亡した。

 もう1人の同県高森町、会社員林義彦さん(56)はヘリコプターで飯田市内の病院に運ばれたが、重体。工事を発注した国土交通省の天竜川上流河川事務所は「酸欠ではないか」と話している。

 飯田署や同事務所によると、現場は地中の水を集める「集水井」と呼ばれる井戸で、洗浄作業をしていた。滝沢さんが作業中に倒れ、一緒にいた別の作業員(61)が外に出て救助を要請。後から入った吉沢さんと林さんが次々に倒れた。

 井戸の壁面はコンクリート。らせん階段が取り付けられており、中には発電機が置かれていた。

asahi.com:井戸内で洗浄機使用か/大鹿村の死亡事故-マイタウン長野

井戸内で洗浄機使用か/大鹿村の死亡事故

2010年06月23日

 大鹿村鹿塩入谷の地滑り対策工事現場で21日、作業員ら2人が死亡、1人が意識不明となった事故で、県警捜査1課と飯田署などは22日、現場を実況見分した。県警によると、事故当時、本来は井戸の外に置くはずの発動機付き高圧洗浄機が、事故が起きた井戸の底付近にあったという。県警は死因の特定を急ぐとともに、業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査している。

 死亡したのは、飯田市下久堅下虎岩、会社員滝沢幸春さん(45)と同市白山町3丁目、会社員吉沢保さん(39)。意識不明なのは高森町下市田、会社員林義彦さん(56)。関係者によると、林さんは血液中の一酸化炭素濃度が高い状態だが、命に別条はないという。

 事故は、地滑り防止のため、地下水を集めて抜くための「集水井」(直径約3・5メートル、深さ約10メートル)と呼ばれる井戸で起きた。事故当時は、集水井の内側についた泥を落とす作業中。県警によると、底付近にはガソリンで動く高圧洗浄機があった。洗浄機は滝沢さんが使用し、外にいた別の男性(61)と2人で作業にあたっていたという。

 工事を請け負った神稲建設(飯田市)の福沢栄夫副社長によると、通常の洗浄作業では、洗浄機などは井戸の外に置き、ホースだけを入れて作業するという。今回は「マニュアルにはない洗浄方法」とした。

 労働安全衛生規則には「自然換気が不十分なところでは、内燃機関を有する機械を使用してはならない」との規定がある。県警などによると、事故は、底にたまった水を吸い上げて洗浄作業をしていたときに起きたとみられ、換気をしていたかは確認中。井戸内での洗浄機の使用で、一酸化炭素の濃度が上がったことが事故につながった可能性もあるとみて調べている。

 工事を発注した国交省中部地方整備局天竜川上流河川事務所によると、現場周辺は、昨年10月から今月30日までに6基の集水井と、水抜きのための4基の横ボーリングを造る予定で、ほぼ完成していた。同事務所の青島重行副所長は「有毒ガスの発生は考えにくい」とした。

 同地区の地滑り対策工事は1988年に始まり、すでに78基が完成。これまでに工事の事故はなかったという。(小林直子、平林敬一、真海喬生)

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