企業が消費者に適応する必要がある

宋さんにズバリそれを言われてしまうと、宋さんの言っていることは全て正しいと思ってしまうのは、僕の思慮が浅いからなのかもしれません。

民間物件の地盤調査を行う上においても、これはおなじ事です。
民間ボーリング調査の単価下落が著しいのですが、それは顧客(消費者)に安くしなさいというニーズがあり、それに適応できない、うちの会社はある意味、終わっているのかも知れません。
私自身自分の存在を否定することになりますが、そういう顧客には我々のような技術者は必要ないのです。
会社のネームの入った1m毎のN値の入った柱状図が手に入ればそれで良いのです。
「ボーリング柱状図がいい加減で別に杭が止まらなくても、ボーリング調査なんてそんなもんだ」と言う割り切りまでされている始末ですから、何が品質なんだかわかったものではありません。
そう言う調査会社が陶太されることもなく生き残っているわけですから、それは存在価値として消費者から認められているのです。

私たちに言ってくる「ちょっと相談に乗ってよ~」という話、お金を請求できるほうが単純明快なような気がします。
そう言う相手には、本当は地盤調査のコンサルタント料というものを別途を頂戴すべきだと思います。
(実際には請求できていませんし、できるようにならない現実も解っています。)
地質調査会社の最大手である「応用地質」さんは、その辺り割り切っていると思います。
応用地質本体そのものは、巨大なプロジェクトでない限り民間の物件はやらないでしょう。
(看板だけの)「応用ジオテクニカルサービス」ってところがやっていると思います。
完全に安いベースの仕事に乗るように分社化しているわけです。

海苔弁と幕の内弁当と松花堂弁当と懐石料理のフルコースを全部一社でやろうとするから、海苔弁は実際に高コストに、海苔弁を多売している会社だよね?と懐石料理は安っぽく見えてしまう。
結局、テーラーメイドの服と、青山の服をおなじ会社で売るから、テーラーメイドの部分まで値引きを要求されているのではないかと思えてしまう。
「この会社にやってもらった仕事だから、品質はお墨付き!」なんて評価してくれるお客はまず居ない。
今はそんな時代じゃないかな?と私は思います。

どうしたらいいのだろう?私には正直わかりません。
「誰でもできる仕事ってのは、価格が下がる。」ことが事実なことだけ解っています。

宋文洲のメルマガの読者広場: 嘘、消費者が企業を育てる

最近よく思うのですが、「消費者が企業を育てる」という言い方は本質を間違えているような気がします。地元の企業が地元の消費者と同じ低いレベルから共に成長する場合、「消費者が企業を育てる」ように見えますが、これはあくまでも土着企業の論理です。複雑な消費層と消費パターンが混在する未知の市場(しかし、これこそ真の市場)においては、消費者が企業を育てるのではなく、企業が消費者に適応するのです。

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