設計定数を求めるための代表N値の決定方法

地盤調査を担当していると、一番目にする原位置試験のデータはN値です。

よく設計定数を求めるためにその基となる代表N値を決めるのですが、普通に平均値を代表N値とすると、N値のばらつきが大きかった場合には、やや大きく評価してしまう結果となります。
そこで、通常は平均N値と標準偏差を用いて、代表N値=(平均N値-標準偏差/2)として求めることが多いわけです。

しかしこの決定方法の根拠は、道路土工や道路橋示方書や地盤調査法や色んな文献を見ても、こうした方が良いと書いてはいません。実を言うと、私はこれは便宜的に使っているだけのものだと思っていました。
それでも、担当者からはこの整理手法の出典を求められることが多いわけで、何処にあるものか・・・と探していたわけです。

今行き着いている文献は、「基礎工 Vol.37,No.4(2009):特集:最近の基礎設計に用いる地盤物性値」のpp.009~pp.012にある、「道路橋基礎設計に用いる地盤物性値の評価」という所に書かれています。

これを見るとばらつきが多かった時に、そういう判定をすることとあり、さらにばらつきが大きい場合には技術者判断を要すということが書いてありました。

現在刊行されている書籍に、これが書かれているものを知りません。ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。

(2022/06/29追記)

コメント頂いていたので、少しあれこれ探しました。その結果はこちらです。

「土質データのばらつきと設計(土質工学会編)」はどこにある? | 地質屋さんと呼ばないで

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設計定数を求めるための代表N値の決定方法” に対して8件のコメントがあります。

  1. KOMATSU より:

    代表N値=(平均N値-標準偏差/2)の式は、「土質データのばらつきと設計」昭和63年 (社)土質工学会の2ページ に書かれています。
    たぶん、いまでも、地盤工学会のこの書物は購入できると思いますが・・・。もし、必要でしたら、その部分の抜粋ページをscanデータで送ってもいいですよ。

    1. 河北慶介 より:

      河北と申します。
      私も同様な根拠を調べておりますが、手に入りません。表紙と抜粋のページがありましたら是非いただきたいのですが。
      よろしくお願いいたします。
      R4.6.29
      (以下こちらで割愛しました)

      1. happyman より:

        コメントありがとうございます。
        一個人のメモ帳のようなブログですので、連絡先などを書かれると困ります。
        (心情は理解いたします。)
        アクセスを良くいただく記事ですので、10年くらいぶりにフォロー記事を書きました。
        東京の方のようなので、国会図書館でも行けそうなのでそちらでご確認下さい。

        「土質データのばらつきと設計(土質工学会編)」はどこにある? | 地質屋さんと呼ばないで

  2. happyman より:

    KOMATSUさん。コメントありがとうございます。
    うちの会社の書庫にあるか一度探してみます。
    地盤工学会のサイトによると、この書籍はオンデマンド化されているみたいですね。
    また改めて探してみようと思います。

    どうもありがとうございました。
    またコメントいただけますと幸いです。

  3. ひかる より:

    参考になれば、
    建築基礎構造設計規準・同解説(1974)には「地盤の場合,土質試験などによって求められる諸数値にかなりなばらつきのあるのがむしろ普通であり,このようなばらつきのある測定値の取扱いに関しては,ばらつきの原因とその程度,基礎底面と各試料採取位置との相対的な関係など複雑な要素があっていちがいにはいえないが,通常,1地点で同一土質の層について得られた測定値は,その平均をとってさしつかえないとしうえで,とくにばらつきがはなはだしい場合などは,平均値よりさらに安全をみて,・・・設計用採用値=(平均値)±(標準偏差)/2
    ここに,複号±は算定結果が安全側となるほうの符号をとる。」とかかれていました。

    1. happyman より:

      コメントありがとうございました。
      1974年ですか。経験工学ってやつは古文書解読も必要という印象を持ちました。

  4. つけやきばのじばんちょうさや より:

    コメント失礼します
    私も色々調べて行き着いたのが
    土質工学会(現地盤工学会)_土と基礎Vol.34,No.12(1986)_P.347
    松尾稔氏 上野誠氏による 講座1 土質データのばらつきと設計
    設計法および地盤の不確実性と設計地盤諸係数の評価
    に記載があります
    ただ、なぜ1/2なのかは不明です

    建築分野では
    技報堂出版_(1991) _大崎順彦著_建築基礎構造 P.P.310~311
    にも記載があります
    こちらでは、算定結果により安全側に評価する方を選ぶとして
    設計用採用値=平均値±1/2(標準偏差)
    としています

    N値に関しては、標準偏差を求める方法は当方はn-1法を使っていますが会社によってはn法で計算されるなど、どちらが正解?なのか結論が出ていません
    こちらに関して情報がありましたらお示し下さい

    1. happyman より:

      コメントありがとうございます。
      数学の統計をあまり私は勉強していませんので、参考になる話は出来そうにありません。
      まあ何を言っても、偉い先生がそうしたというところからはみ出ることはありませんので、そのように使うしか無いと思っています。
      設計側がどういう風にN値を使うかの問題なだけで、その目的に応じてN値の評価も変わると思います。

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