NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパンの命運」
NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパンの命運」をみた。
子どもの相手をしながらだったので、あまり内容を覚えていないけど、外国に売る品物がこれでいいのか?という疑問は残った。
日本人が売れると思って作っている商品と、世界(グローバル)で実際売れる商品とに乖離が見られてないだろうか?と思えて仕方ないのである。
今回取り上げられた例は、「東芝のCELL REGZA」と「JVCケンウッドのソフト」である。
東芝の「CELLREGZA」であるが、8chのマルチ録画が出来るという鳴り物入りの高級テレビである。
8chってのは、日本のテレビ局の地上波のCH数にあわせて作っているのでしょう。
大勢の人に買ってもらおうと思っていない商品なのかも知れないが、それにしても高すぎる。
まず私も買わないっていうのか、「買えない」。
そもそも、8ch同時録画したくなるようなテレビ番組の質が高いだろうか?
確かに、全部撮っておいて後からいらないものを捨てるという方法でも良いけど、そんな玉石混淆な状態から抽出する暇はないでしょう。
それならば、録画記録のログをレコーダー側に管理学習させて、ユーザーにお勧め番組を提案するシステムを作った方が面白いのではないか?と思う。
例えば、大リーグ放送をよく録画するユーザーには、「次の大リーグ放送がいついつありますが、録画しますか?」とコンシュルジュしてくれる機能だ。(もう高級機には付いているのかも知れないが・・・)
だいたい、「何でも出来て、複雑かつ小難しい製品」を好むのは、日本人だけではないか?と思ってしまう。
JVCケンウッドは、そのデバイスの中に用いられるソフトを売り込んでいた。
内容がよく解らなかったが、ラジオに映像と情報と広告が添付されるシステムだろうか?
確かにラジオに情報が一時的に出る機能は画期的だと思うけど、画面に出してまで見たくなる情報ってどれくらいあるだろうか?とは思う。
フォトフレームとネットラジオがくっついているとかそういう機能は欲しいなあと普通に思いますが、既存のFM放送がネットラジオも同時サイマル放送しない限り、効果が少ないような感じである。
ここはJASRACが大きく抵抗している部分なのかも知れないが、(組織の中にいる人間からして)アナログ特化した著作権が技術進歩の妨げになっているような気がしないでもない。
どちらにしても、「単純明快だけどもキラーなもの=付加価値」を作っていかないと、日本の製造業は世界で売ることは出来ないと思う。
そういうものはベンチャー企業が得意とするところであると思うが、日本は堀江貴文氏みたいな人を罪人にしようとする国であるから、それも難しいのかも知れない。
ずいぶん偉そうなことを書いてしまったのですが、私の仕事でも「単純明快でかつキラー」なものってあるかなあ?と考えてしまいました。そんなに簡単ではないことは重々承知しておりますが・・・。
メイド・イン・ジャパンの命運
経済金融危機の影響がもっとも大きく出た日本。GDPはまもなく中国に抜かれ3位に転落するのは必至である。こうした中、日本はグローバル経済の中で、何を作り、何で稼いでいくべきなのか。世界最強のブランドと言われた“メイド・イン・ジャパン”が、出口を求めて必死にもがいている。いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動、それは、猛スピードで技術が陳腐化し、製品の差別化が難しく、しかも製品の寿命が超短命に陥っていることだ。メイド・イン・ジャパンの代名詞だったテレビ業界では、特にその傾向は顕著で、どんなに高度で精密な薄型テレビを作り出しても瞬く間に韓国台湾などアジア勢の猛追を受ける。少しでも安いモノをと考える消費者にとって、ライバルがある程度の技術力を持てば、日本製品の優位性は一気に崩れるのだ。こうした中、いま一度日本国内工場の存在意義を問う、「生き残りをかけた実験」が始まっている。東芝ではコストを度外視した超高機能テレビを作り技術力を極めようとする試みが佳境を迎えた。JVCケンウッドでは、自社生産にこだわらず、技術を中国メーカーに譲って製品を作らせ、そのライセンス料を企業収入にしていこうという動きも見られる。番組は、「日本は今後どうやって食べていくのか」、「日本人は何が得意なのか」と自問を繰り返す二つの電機メーカーの社運を賭けたプロジェクトに密着し、メイド・イン・ジャパンの未来を見つめていく。