見えないところに資源は隠されている
下水汚泥に「金」が含まれているとは・・・
精錬コストを考えても有効利用できるのならば、もっと色んなところで研究を進めて欲しいと思います。
中日新聞:下水汚泥から「金」回収 諏訪湖流域、初回売却益500万円:社会(CHUNICHI Web)
下水汚泥から「金」回収 諏訪湖流域、初回売却益500万円
2009年1月29日 10時38分
長野県諏訪地域(諏訪市など6市町村)の諏訪湖流域下水道で処理する汚泥焼却灰から、「金」を回収できることが分かった。管理する県諏訪建設事務所は28日、金属精錬会社への初の売却益が500万円になり、今後年間1500万円の収入が見込めると明らかにした。日本下水道事業団(東京)によると、国内で汚泥から貴金属やレアメタル(希少金属)の回収例はない。
同流域下水道には工業用下水も流れ込む。諏訪湖周辺は半導体やメッキなどの産業が集積。温泉や天然ガスがわき、「黒鉱(くろこう)ベルト」と呼ばれる金属鉱床の豊富な地下構造もある。同事業団は「これらの地域特性が絡み合い、微量の金が下水に含まれるようになったのでは」と推測する。
下水道の汚泥は、焼却して出る灰を資源再利用するため、さらに高熱で溶融結晶化。汚泥にたまった金は、この過程で高濃度になる。焼却灰1トンに含有する金35グラムは、結晶化過程で発生する「溶融飛灰」1トンに1900グラムと54倍に濃縮。コスト面で製錬が可能と分かった。
諏訪市にある下水道終末処理場で溶融飛灰をストック。昨年10月、1・4トンを売り渡したところ2500グラムの金が含まれており、売却益は500万円になった。溶融飛灰の年間排出量は5トンで「1500万円にはなる。金相場が上がればもっと…」と、同事務所は思わぬ副収入に期待する。
同事業団新プロジェクト推進課の弓削田克美さん(41)は「下水はいろいろなものが流れてくる。汚泥のレアメタル含有分析はほとんど行われておらず、各地域に特有のものがあるかもしれない」と指摘している。
(中日新聞)