若年性認知症-ピック病-

若年性認知症にはアルツハイマー病とかヤコブ病とかあるのは知っていたが、「ピック病」というのを知りませんでした。

ピック病
 初老期痴呆(初老期とは歴年齢上の定義は45歳〜65歳)の代表疾患がアルツハイマー病とピック病であり、いずれも原因不明(アルツハイマー病は解明されつつあります)の大脳萎縮性疾患であります。
 ピック病は、アルツハイマー病に比して少なく(アルツハイマー病の1/3〜1/10といわれている)、40代〜50代にピークがあり、平均発症年齢は49歳である(アルツハイマー病の平均発症年齢は52歳)。アルツハイマー病と違い性差はなし(アルツハイマー病は女性にやや多い)。
 アルツハイマー病は記銘力・記憶力低下などの知的機能低下が初発症状であるが、ピック病では、人格変化(人格障害はPick病でもっとも著しく、アルツハイマー病ではPick病より軽く、脳血管性痴呆ではさらに少ない)、情緒障害などが初発症状である。
 すなわち、自制力低下(粗暴、短絡、相手の話は聞かずに一方的にしゃべる)、感情鈍麻、異常行動(浪費、過食・異食、何でも口に入れる、収集、窃盗、徘徊、他人の家に勝手にあがる)などがあり、人格は変わり(無欲・無関心)、感情の荒廃が高度で、特に対人的態度が特異である。たとえば、人を無視した態度、診察に対して非協力、不真面目な態度、ひねくれた態度、人を馬鹿にした態度などで、病識はない。その他、会話中に同じ内容の言葉を繰り返す滞続言語(滞続言語とは、特有な反復言語で、質問の内容とは無関係に、何を聞いても同じ話を繰り返すもので、他動的に誘発され、持続的で制止不能である)も特有である。
 CT(MRI)では、局所性の脳萎縮(側頭葉、前頭葉に多い)が認められる。
 病理所見は、典型例ではPickの嗜銀球が神経細胞内に出現する。
 鑑別診断としては、アルツハイマー病、精神分裂病があります。アルツハイマー病では記銘力・記憶力低下などの知的機能低下が初発症状(ピック病は初期は記憶・見当識・計算力は保たれる)ということと、語間代(例:ナゴヤエキ、エキ、エキ)が認められことが多いという特徴で鑑別されます。精神分裂病とはCT(MRI)を撮ることにより鑑別可能です。
 経過は2〜8年(衰弱し死亡することが多い)であり、アルツハイマー病よりも短い傾向がある。
 アルツハイマー病がかなりその病因が解明されつつあるのに対し、ピック病は病因解明の糸口となるような特徴的病理像が無く、そのことがピック病研究の立ち後れの原因となっており、治療法は今のところなく介護が中心となっているのが現状です。

ちょっと思い当たることがあり、少し心配になりました。
「以前は、そんなことをする人ではなかったのに・・・。おかしいんですよ・・・。」なんて会話が出ていただけに気になる事があるのです。
医者ではないので非常に適当なことを考えていますが、症例はアルツハイマー病よりも少ないと言われていますが、実のところ精神障害と言われる中にこの症例が紛れている事も考えられるのではないのかななんてことを思っています。

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