お亡くなりになった伊藤さんには、ご冥福をお祈りいたします。
僕はペシャワール会なるものすら知りませんでした。
草の根的にボランティア活動を行う人が、このような被害に遭うのは気の毒でなりません。
10年以上かけてアフガニスタンをみどりの国にする努力は確かに大切だと思います。
ただ明日を生きるだけで精一杯でギリギリの人達には、その活動にすら理解出来ないかもしれません。
うまく言えないのですが、やっぱり残念なことです。
持たざる者の恨みは、すべての持てる者に対して暴力の矛先が向いてしまうのではないでしょうか・・・。
彼の場合は、この死を覚悟してまで突入しようとする強い心があったのだろう思いますが。
「現地行かなければ何も始まらない」伊藤さん入会動機全文 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現地行かなければ何も始まらない」伊藤さん入会動機全文
特集 アフガン邦人拉致ペシャワール会は27日、伊藤和也さんが2003年6月に書いたペシャワール会への入会動機を記した文章を公表した。全文は次の通り。
◇
私がワーカーを志望した動機は、アフガニスタンに行き、私ができることをやりたい、そう思ったからです。
私が、アフガニスタンという国を知ったのは、2001年の9・11同時多発テロに対するアメリカの報復爆撃によってです。
その時まで、周辺国であるパキスタンやイランといった国は知っているのに、アフガニスタンという国を全く知りませんでした。
「アフガニスタンは、忘れさられた国である」
この言葉は、私がペシャワール会を知る前から入会している「カレーズの会」の理事長であり、アフガニスタン人でもある医師のレシャード・カレッド先生が言われたことです。今ならうなずけます。
私がなぜアフガニスタンに関心を持つようになったのか。
それは、アフガニスタンの復興に関係するニュースが流れている時に見た農業支援という言葉からです。
このこと以降、アフガニスタンに対しての興味を持ち、「風の学校」の設立者である中田正一先生の番組、偶然新聞で見つけたカレーズの会の活動、そして、カレーズの会の活動に参加している時に見せてもらったペシャワール会の会報とその活動をテーマにしたマンガ、それらを通して現地にいきたい気持ちが、強くなりました。
私は、関心がないことには、まったくと言っていいほど反応しない性格です。
反応したとしても、すぐに、忘れてしまうか、流してしまいます。その反面、関心を持ったことはとことんやってみたい、やらなければ気がすまないといった面があり、今回は、後者です。
私の現在の力量を判断すると、語学は、はっきりいってダメです。農業の分野に関しても、経験・知識ともに不足していることは否定できません。ただ私は、現地の人たちと一緒に成長していきたいと考えています。
私が目指していること、アフガニスタンを本来あるべき緑豊かな国に、戻すことをお手伝いしたいということです。これは2年や3年で出来ることではありません。
子どもたちが将来、食料のことで困ることのない環境に少しでも近づけることができるよう、力になれればと考えています。
甘い考えかもしれないし、行ったとしても現地の厳しい環境に耐えられるのかどうかもわかりません。
しかし、現地に行かなければ、何も始まらない。
そう考えて、今回、日本人ワーカーを希望しました。
2003年6月15日
(2008年8月28日01時31分 読売新聞)
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