積極的脳死移植

改正臓器移植法が施行されて、ドナーカードを持たない人に対する脳死移植が少し活発化してきたように感じます。
僕は、「ドナーカードを持っていない人に対しては、家族に判断させて臓器提供をさせる」というやり方に納得がいきません。

家族にとっては、身内が一人死んでいる状態で、まともな精神状態ではないところに、コーディネーターが「あの人は脳死です。心臓、肝臓・・・提供してください」と毎日言ってくるのではないのか?と思えてなりません。
言い方悪いけどそれは「死神」のようだ。

僕自身、身内に臓器移植を希望している人が居ないので、こんな冷めたものの見方をしているのは承知しています。
「自分にもしもの事があったら、ボランティアの心で、全部臓器を提供します」と言う人ならばドナーカードを既に持っていることでしょう。持っていないということは、まさか自分がその対象者になるとは思ってなかったか、ドナーカードを持つのに躊躇していた人なのかも知れません。

それならば、もう運転免許証みたいなIDカードにドナーカードを組み込んでしまった方が合点がいきます。
くどいですが残された遺族に、臓器提供の判断までさせるのはあまりにも酷です。
僕も、ドナーカードを持とうかと思っています。どういう記載をするかは、ここでは書きませんが・・・。

2例目「家族承諾」脳死移植始まる : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

2例目「家族承諾」脳死移植始まる

 改正臓器移植法に基づき、家族の承諾だけで脳死判定された男性の臓器摘出は、19日午後6時までにすべて終わった。摘出された心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓(すいぞう)は、移植希望患者がそれぞれ待機する病院に搬送され、移植手術が順次始まった。家族の承諾だけで行う臓器の提供は、改正法が先月17日に全面施行されて以来2例目。本人の生前の意思が全く不明なのは初めて。

 臓器摘出は19日午後3時5分に始まった。

 心臓は東京大病院で40代男性に、肺は大阪大病院で20代男性に、肝臓は京都大病院で40代男性に、腎臓は神戸大病院で60代男性に、もう一方の腎臓と膵臓は名古屋第二赤十字病院で30代女性にそれぞれ提供される。小腸は医学的理由で断念した。

    ◇

 日本臓器移植ネットワークと厚生労働省は19日の記者会見で、男性の家族が承諾に至った詳しい経緯を公表しなかった。病院がどの時点で脳死判定の選択肢を示し、どのような説明をしたのか。家族が承諾するまでにどれくらい時間がかかったのか。自分の家族に脳死の可能性がある患者が出た場合、だれもが直面するこれらの大切な事柄について、「家族の意向」を理由に明らかにしなかった。

 脳死問題に詳しい弁護士の光石忠敬氏は、「今回の改正で、本人の意思が分からなくても臓器提供できるようになった。それだからこそ、家族がどれくらい『脳死』というものを理解して承諾に至ったのか、どのようにして本人の意思をくみ取ったのかという情報を、国民に対して明らかにしていくべきだ」と話している。
(2010年8月19日23時56分 読売新聞)

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